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青年の後を追って着いたのは、何処にでもありそうな十字路。そこに待ち受けていたのは、血痕――じゃない、血だ。
まだ新鮮で、今さっき飛び散ったばかりのように、紅く輝いている。それも大量に。
「つ……う……」
頭痛の再来。でもさっきと違う。二種類の痛みに私は襲われている。
冗談じゃない痛さ。
「う……」
「苦しそうなところ悪いんだけど、ずっと聞かなかったことがあるんだ」
話せる状況ではない私に、青年は話しかける。
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