Blackout

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 昼。  突然話しかけられた。 「無くしたんだ」  私より少し年上の青年だった。 「何を?」  私は聞いた。 「探してくれない?」 「だから、何を?」 「探して欲しいんだ」  何であっても、承諾を得たいらしい。 「分かった。探してあげるから。それで、何を無くしたの?」  ありがとう、と青年は言って微笑んだ。 「無くしたのは……記憶なんだ」
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