東シナ海海戦

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 大画面にパトランプが点滅した。テロップに潜水艦捕捉と表示が出た。野村がすぐにキーボードを叩いた。画面に№35、№36潜水艦が表示された。  野村が、 「潜水艦、2隻が、お出迎えになったよ」 「2隻ですか?撃沈する暇無いです」 「航行モードを海底潜航モードにして」 「そんなモード知りません」 「最近完成した。海底を詳細に映しだすから画面をよーく見て操舵するのよ」  野村は考えられるすべての航行方法を構築していた。 「自分が操舵するのですか?」 「そう、まだテスト段階だから中谷三尉の腕の見せ所。がんばって」  中谷は操舵ハンドルを一杯に押した。流星号は急速潜航して海底へ進んだ。 「中谷三尉、海底にへばりついて、潜航すれば、相手は魚雷の攻撃がしにくい」  中国潜水艦は流星号の動きに気づき同じように急速潜航した。 「相手が追ってきた。攻撃に自信があるということよ。新型魚雷を搭載している可能性がある。200ノット(時速370キロ)の魚雷が来るから気をつけてよ。私が後退と言えばポンプを逆転してブレーキをかけてよ。一瞬でも遅れると終わりよ。解った!」 「200ノット?スパキャビ魚雷ですか。了解」  中谷が大画面に映し出されている海底の画面を見ながら、30ノットの速力で潜航しだした。それは、ジェットコースターに乗っているように、上下左右に激しく揺れている。 「中谷三尉、機関停止」  中谷がいぶかしい顔をして野村を見た。 「目眩がして、からだが持たない。山下艦長も心配」 「止めました!」
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