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野村が、
「前方魚雷までの距離２３００メートル」
流星号は海底にむかって垂直に潜航していた。次に中谷は急浮上した。魚雷群は、流星号の挙動の速さに追従しきれなく大きくカーブを描き急浮上してきた。
「中谷三尉、誘爆させるなよ！」
山下が怒鳴った。
「わかってます。頭はどうですか？」
中谷が後ろを振り向いた。
「前を見てろー！」
中谷は数回の実戦で魚雷の動きを、みきり余裕がでてきた。
「油断は禁物！」
山下が放つ。
「了解」
野村が、
「後方着水音確認。後方２０００メートル。新たに魚雷７発確認、ホーミング開始。んー、速力４０ノット、どんどん上がっている５６ノット。挟み撃ちにするきよ」
中谷が敵魚雷に挟み撃ちにされ操舵ハンドルをギューと握った。
「了解」
「第一次敵魚雷、距離９００メートル」
中谷は、操舵ハンドルを押しこみ、また急速潜航して前方魚雷群の下に潜る。今度は、前方魚雷の真下についた。
野村が、
「真上、魚雷まで距離５００メートル」
「距離４００メートル」
流星号はなおも垂直に海底に急速潜航している。
「魚雷真上、距離３００メートル」
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