東シナ海海戦

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 流星号は真っ逆さまになり、魚雷の背後に着こうとした。中谷は操舵を水平にし、魚雷の上部の背後についた。さらに中谷は操舵をひいた。逆水平から大きな円を描き、水平に移ろうとした。重力がまたかかる。三人は必死で耐えた。    見事、流星号は宙返りをして魚雷群の背後につけ、急速潜航をした。敵魚雷はホーミングが混乱し探査不能を起こし、螺旋を描いて流星号を探している。海中はビーコンで充満している。  中谷は、敵魚雷に探査されるため、ゆっくりと水平に迷っている魚雷の下を航行した。 魚雷はその動きを探査し、一斉に追尾し出した。 「ヤッホー!大成功」  中谷はハンドルから両手を離し、両こぶしを早く突いて歓喜した。 「後方…魚雷…、900メートル」  野村は過度の重力が脳にかかったのか言葉がしどろもどろだ。 「よし!」  中谷は、魚雷群を引き連れて、上下左右操舵し、安全な距離を保っている。
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