東シナ海海戦

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 山下が、 「中谷三尉、作戦変更!あの巡洋艦の下につけ」 「了解」  中谷は左上に見える巡洋艦の下に、何とか流星号を持っていった。  野村が、 「電池残量60%、約20分間戦闘可能、速力22ノット」  山下が、 「野村ニ尉、空母は確認できるか」 「艦長、空母は方位335、距離1100メートル先、巡洋艦2隻、海中200メートルに潜水艦2隻に守られ航行中」 「よし。了解」  山下が目を閉じ、天を仰いだ。 「これが最後の攻撃になる。5番長魚雷を囮につかい、空母の右舷から攻撃する。運がよければ、空母にあたる。流星号は、左から回り込み、左舷の巡洋艦の下を通過して空母に接近、スパキャビ砲を撃ち尽くす。そして……」  山下が最後の作戦を説明した。 「二人の意見は?」 「同じです」 「よし、ゆけー!」  山下が気合をいれ放った。  野村が激しくキーボードを叩いた。 「5番長魚雷、データ入力完了」  中谷が、 「発射!」  5番長魚雷が「ブシュー…」とくぐもった音と共に発射して、大きく右に弧を描いて曲がった行く。輪形陣形の外側にいる艦の下を通過して行った。  中谷が5番長魚雷の様子を見ながら、 「魚雷との距離300メートル」
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