東シナ海海戦

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「全速力!」  敵艦の影に隠れるため、海面に近づいた。突然、大画面に受信状態が良くないのか赤いパトランプが途切れ途切れに現れた。 「交戦中、通信は無視しろ!」  山下が命令した!  中谷は、左側にいる敵艦の下を飛び石でも渡るように航行し、少しづつ空母に近づいている。 ●中国大艦隊●  陳司令は、怒鳴りぱっなしであった。 「お前らは、小型潜水艦1艦に何をてこずっているのか!今どこに潜んでいるのか!」  副長が、 「艦隊周辺にいると思います」 「刺し違えても撃沈しろと全艦に連絡しろ!ありったけの対潜ミサイル魚雷を撃て!補給はいくらでも来る。解ったか!」 「了解しました」  陳司令は、恐怖を感じていた。まったく姿がみえず、近寄ってくる悪魔のようにこちらが手をつくしても、何をしても相手にはダメージはない、指先が激しく震えていた。こんな経験は今までない、台湾に進行した時でも、こんなには震えなかった。小型潜水艦じゃない。相手は悪魔か魔物か。一艦で中国大艦隊を相手にして、それでも無傷だ。司令官が震えては部下の士気にかかわる。必死で、体の震えをごまかすため、司令室を歩き回り、頭の中には伏魔殿から抜け出し下界に飛来する大きな牙を持った恐ろしい魔物を想像していた。 「作戦を指令する。全艦、空母を中心にして大きく展開しろ、そして、その空間にできた海域に必ず相手はいる。その場所にすべての対潜ミサイルを撃ちこめ。早急に各艦に連絡しろ!」  陳司令は副長に命令した。
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