プロローグ

2/8
前へ
/94ページ
次へ
……もう、こんな時間か…。 私は、壁に掛けられている時計を見た。 船の燃料室には、もう石炭が積み込まれている。 船は、明日の出港の時を待つだけだった。 私がいるこの2等室は、ひどく静かで、窓の外の波が船の横腹にあたる音が聞こえた。 照明のアーク灯の煌々とした光は、温かく私を照らしていた。
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加