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前黒板に日直の名前が書いてあり横のボードにはプリントなどが貼ってある。
机は綺麗に整頓してあった。
辺りを見渡すと何人かの人がいた。
眼鏡をした老父にその妻だと思われる老女が寄り添い教室の片隅に座っている。身長の高い色白の男は壁によりかかりながら立っていた。
茶髪のいかにもチャラ男風の男は若い女性達の近くに座っている。
女性の1人は色白の長髪美人だ。もう1人の茶髪のショートの後ろ姿には見覚えがあった。
そして監視役らしき筋肉質の男が黙って窓から外を覗く様に見ている。
すると椅子に座っていた茶髪ショートの女性がこっちを向いた。
将文「あっ…!?」
こっちを振り向いた女は幼なじみの飯島由美〈イイジマユミ〉だった。
由美「将文!!無事だったのね!」
将文「由美こそ無事だったのか。心配してたんだぜ。おじさんとおばさんは…?」
由美「…。わからない…。グラウンドの方に連れていかれて私は校舎に連れて来られたから…。」
俺はグラウンドに連れていかれた人がどうなるか知っているが、由美にそれは黙っておこうと思った。
将文「きっと無事でいるよ!」
元気のない由美に明るく言った。
筋肉質の男「それはどうかな?」
由美「えっ?」筋肉質の男「外を見てみろ!」
俺と由美は外を見た。
教室にいた人達も皆窓際まで移動し外を見る。
外はまるで戦争でもあったかのような状態だ。
先程まで逃げ回っていた人達が首や腹、腕、足から血を流し倒れている…。
中には息のある者もいたが顔色がひどく悪い人(?)が群がり肌や肉を引き裂いていた。
俺はさらに辺りを見渡した。
倒れている人の中には銃を持った男の体もあった。
必死に応戦したのだろう男の腕が銃を握りしめながら無惨にも千切れている…。
とても言葉では言い表わせないぐらいの…
状態だ…。
俺は吐き気をもよおした。
将文「うぇえ。」
由美は言葉を失っていた。ショックが大きすぎたのだろう。目には涙が今にも溢れ出ようとしている。
筋肉質の男「これでわかっただろ…。外にいる奴らは全滅した…。助かったやつは俺達だけみたいだ…。」
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