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長身の男「なんだって!おい!まさか!そんな……ここから逃げ出す手段はあるんだろ!なあ!」
ヒステリック気味に筋肉質な男に詰め寄る。
筋肉質の男「ない。外に行けば奴らに引き裂かれて仏になっちまうからな。今はおとなしくここにいるしかないだろ。」
長身の男に冷たく言い放つ。
長身の男は絶望感に押し潰されそうになったが将文の次の言葉で絶望感は払拭された。
将文「無線機とかで助けを呼べばいいんじゃない?」
長身の男「そうだ。あるんだろ?」
筋肉質の男「あるよ。」
そういうと腰から小型のトランシーバー無線機を手にとり長身の男に投げた。
長身の男の顔は安堵感に満ちる。
しかし、その顔は筋肉質の男の言葉により再び安堵を失う事になった。
筋肉質の男「だがな、そいつの電波範囲は半径500㍍が限界だから本部とは連絡が取れない。」
将文「それじゃどうやって本部と連絡とってたんだよ!」
筋肉質の男「ヘリの無線機からだ。あいにくそのヘリももうないがな…。」
窓の外を見ると先程までヘリコプターだったと思われる機体が赤色の火と黒煙を上げて燃えている。
どうやら先程の混乱の際に流れ弾が燃料タンクに当り発火したのだろう。
将文「マジかよ…。」
しばらく沈黙が流れる…
茶髪「まあ、とりあえずバリケードを作っといた方が良さそうだぜ。」
校舎の入り口の方を指さしながら茶髪の男が言った。
指さした方を見ると体の至るところから明らかに致死量だと思われる血を垂らしている苦しそうな様子の男が数人、入り口から入って来るのが見えた。
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