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しばらくして…
日が出てくると幾分か暖かくなってきた。
ふと時計を見るとAM9:15だった。
何やら外が騒がしい。
ババババババババ
遠くからヘリが編隊を組んで飛んでくる。
ミサイルと機関銃を積んだ緑色の機体は一目で軍隊のヘリだとわかる。
ヘリは中央通りの方に真っ直ぐ飛んでいった。
その様子をベランダから俺と母さんは見ていた。
母「何かあったのかしら。」
将文「軍用ヘリが来るくらいだから何か事態に変化があったんじゃない?」
母「テレビなら何か分かるかも知れないわ。」
俺と母さんはリビングに向かいテレビを点ける。
テレビ『ザー-----------』
何も映らない。
「!!?」
母「何もやってない…?。どういう事…?」
頭の中に嫌な予感がよぎる。
その時…
バババババババ。
ヘリが飛んでくる音が近づいてくる。
「市民の皆さん!私達は陸上自衛隊第三偵察隊です。」
ヘリから拡声器で隊員が言った。
「今、河島市は第一級感染症により完全封鎖の命令が下されました。
この街は危険ですので近くの避難所や学校まで行き検査を受けて指示に従って下さい。」
詳しい説明は無かったが、とりあえず行かなくてはならない。
母「早く支度しなくちゃ。」
母さんは素早く洗い物を終わらせ支度を始める。
こんな時でも母さんは化粧を怠らない。俺たちは支度をし終えると一番近い避難場所に指定されている河島中学校に向かった。
外は避難場所に向かう人達が少量の荷物を持ち小走りしていた。
中学校は歩いて15分のところにある。
走ったので10分ぐらいでついた。
緑色の屋根の三階立ての校舎は数年前に建て替えたばかりでまだ綺麗だ。
グラウンドにはテントや即席で作ったような建物がありガスマスクをし小銃を持った軍服を着た人達と白衣をまとった研究員らしき人達が見える。
学校の周囲は集まった人達で混雑していた。
集まった人達は学校の門から数人ずつのグループに別れて銃を持った迷彩服の男に誘導され校内に入っていく。
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