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校内に入るとまずグラウンドに建てられたテントで血液検査をうけた。
白衣の男は資料を見ながら何かの薬品と採取した血液を混ぜている。
ふと胸のバッジが目にとまった。
″楠木公正″〈クスキコウセイ〉と書いてある。
薬品と混ぜて血液の色が変化しなかった人は校舎内に連れていかれる。
また、変化した者はグラウンドに連れていかれる。
そしてグラウンドの方から一発の銃声が…
『パーン!!!』
何をしているのかは分からないが予想がつく…
だが、俺の予想通りだとすれば、そんな事をするなんて普通では考えられない…
集まった人達も動揺を隠せない。
感染症の場合は大抵、感染者を隔離するだけのはずだ…
俺はそんな思案をめぐらしていた。
楠木「はい、次。」
男はぶっきらぼうに言った。次は母さんの番だ。
血液を採取し、薬品と混ぜる…
色が変わった…
小銃を持った男が母さんの腕を掴む。
妹が母さんから引き離され母さんを引っ張る。
母「ちょっと何するの!?痛いじゃない!放しなさい!!!」
将文「おい!何すんだ!放せ!」
グラウンドの方へ母さんの腕を掴み、引っ張る男に
俺は掴みかかり男の胸ぐらを掴んだ。
すると男は母さんの腕を放した…
と同時に胸ぐらを掴んだ俺の手を素早く掴み、そのまま俺の腕を背中に回し肘の関節を固めた。
将文「痛ッ!!」
完全に固められ身動きがとれない。
楠木は別の小銃を持った男を呼びよせる。
将文「母さん逃げて!」
母さんは走りだした…
小銃を持った男が追い掛ける…
楠木「逃がすな!発砲を許可する!撃て!」
追い掛けていた2人の男がその場で小銃を構える…
将文「母さん!!」
妹 「ママぁ!!!」
俺と妹は叫んだ…
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