❤ story No.1

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「そうだ! 帰りに美香の好きなチーズケーキ買ってきたんだ。 一緒に食べよ」 ヒロは倒れた拍子に床に落ちたケーキの箱を拾い上げると、中からチーズケーキを取り出した 「あぁ、ちょっと形崩れちゃったな。 けどここのチーズケーキおいしいって評判だからさ」 と言って私に一つ差し出した 「いただきます」 そう言って一口頬張ると 「本当だぁ。 おいしい!」 形は崩れてしまったが、本当においしかった ヒロはそんな私の顔を見て満足そうだった 「美香は本当にうまそうに食べるな」 「だって。 本当においしいんだもん」 「ほら、たくさん買ってきたから、いっぱい食べな」 そう言ってもう一つ取り出し私に差し出すと、ヒロも自分の分を一口頬張った 「本当にうまいな」 「だからおいしいって言ったでしょ」 「俺が買ってきたんだろ」 そう言ってまた二人で笑い合った その日 私は久しぶりに穏やかな気持ちで眠りについた ヒロの腕の中で ささやかな幸せを感じながら
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