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あの夜以来
平穏な日々が続いていた
自然とヒロに手を挙げる事は少なくなっていった
ふざけて軽く叩く事はあっても、本気でヒロを殴る事はなくなった
あの夜
ヒロが私を優しく包んでくれてから
「愛してる」と愛を囁いてくれてから
今思えば、私はただヒロに愛されたかっただけなのかもしれない
どうしようもない不安を何かにぶつけたかった
ヒロを好きになればなる程、募る不安
私がヒロの愛を確かめる術は、ヒロを傷つける事でしかできなかった
それがどれだけ馬鹿げた行為だとしても
私にはそれが全てだった
私がヒロを好きな気持ちと、ヒロが私を好きな気持ちが釣り合わない様な気がして
けれどヒロの愛の深さを知った今
もう私にはそんな行為無意味だった
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