9人が本棚に入れています
本棚に追加
ヒロと付き合い始めて半年が過ぎようとしていた
この日
私は一人で街をブラブラとしていた
特に何か用事があったわけではない
むしろ逆だった
ただ何も予定がなかった
何人かに声を掛けたが、誰も捕まらなかった
ただそれだけ
一人で家にいるのは暇過ぎた
もちろんヒロを誘ってみたけれど、先輩と約束があると断られた
代わりにヒロとは明日の夜、会う事になっていた
私は何となく一軒の雑貨屋に入った
とりあえず端から順番に見て行った
ふと入り口の方に目をやると
ヒロの後ろ姿が見えた様な気がした
「ヒロ?
見間違えかな!?
後ろ姿だったし」
そう思ったものの何となく気になり、その方向をじっと目を凝らし見ていた
「やっぱりヒロだ!
何やってるんだろ、こんなとこで!?」
今度は横顔が見え、それは間違いなくヒロだった
声をかけようか迷っていると
「ヒロくん」
そうヒロの名前を呼ぶ声が聞こえた
私は一瞬
ビクッとした
その声の女性はヒロの元へ駆け寄ると、何か話していた
話の内容までは聞こえなかった
最初のコメントを投稿しよう!