一章 変な服着た変な女

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俺はごく普通の高校生である。     いきなり言われても何を言ってるかさっぱりだと思うが、その通りなのだから仕方ない。     空を飛ぶ技術も持ち合わせていないし、100Mを2秒で走れる訳でもない。     少しぐらい変な能力を持っていてもいいのだが一つも見当たらないのだから、ごく普通の高校生と言えよう。     なんでも良いから飽きが来ない出来事が起こらないかと……       …願った所で起きる訳ないんだがな…     そうした毎日に飽き飽きしつつ、学校でのいっさい頭に残らない授業を終えて、帰宅の準備をしていると   「ちょっと」 横から俺を呼ぶ声が聞こえた。 振り向くのも面倒なので、無視していると 「ちょっとって!聞いてるの?返事ぐらいしなさいよ!」   横でうるさくわめいているのは、俺の幼馴染みの吉沢桃香だ。 「あんたねーたまには寄り道したいとか思わない訳?」   「俺は別に行きたい所もねぇしな」   鞄に教材道具を詰めて教室から出ようとする 「ちょ、ちょっと!待ちなさいよ!」 「じゃあな」     桃香がうるさくわめいているのを横目に下校した。   なんであいつは俺に付き纏うんだ?意味がわからん。   そんな愚痴をこぼしつつ家へのルートを歩いていた。        …って言うのが俺の一日の筈だ。   それなのに俺の前で剣を突き立てているこの女は一体だれだ? まだ思い出して無い事があるのか…? … …… ……… …そうだ… あの変な奴に話しかけた事を思い出して溜め息が出た。
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