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そうして家に向かって歩いていると電柱の所に人らしき物がうずくまっていた
普通さ、電柱の所で人がうずくまっていたら気になるだろ?
俺は、目の前にいる変な格好の人にためらいも無く声をかけた。
「あの~大丈夫?」
「気分が悪いなら救急車よぶけど」
そう言うとその人はゆっくりこっちを見て驚く様にこう言った。
「……お前…私が見えるのか?」
「は?…当たり前だけど…」
いきなり電波な事を言い出した。
にしても…若い女だな…
目の前の若い女はどう見ても15、6歳にしか見えない。
まぁ16の俺が言えた事じゃ無いけどな。
その女がよろめきながら立ち上がり確かにこう言った。
「そうか…お前か…」
……?
「はい?」
「お前を『向こう』の世界に連れて行く。文句は言うな黙ってついてこい」
いきなり意味不明な事を言いながら俺の手を掴み呪文をとなえている。
離そうとはしない。
つか力が強すぎて振りほどけない。
情けねー俺
ほんの一瞬だったと思う。
でも何があったか分からなかった。
時間が止まった様にも感じた。
「…着いた」
着いたって言われてここどこだ?
当たり前の疑問が頭に浮かぶ。
そんな事を考えていると、その若い女がいきなり剣を抜きはじめ、俺に突き付けた。
「死んで」
…は?
……え?
………なんで?
自然と顔に汗が伝う。
「…」
何分たったのか、それすらも分からなかった。
「ぷくくっ」
剣逸らしていきなり笑い始めた。
「あははははははっ」
「冗談だよっ」
「はぁ………?」
俺には理解できない。
なんで?
とりあえず無事…なのか?
安堵。
「良かったぁ~」
その場に倒れこんでしまった。
と…その前に
「何だよ、一体お前は誰だ?」
「あははははっ!」
まだお腹を押さえて笑い転げている。
少しムカついて来た。
「あははっ。ごめんねぇ~?」
「まずはここに連れて来た事を説明しないとね」
「歩きながらでも良いよね」
そう言うとそいつは地図を手にし
「いこ?」
俺の手を掴み歩き出した。
「あたしの名前はレイラ。レイラ=アルフォード」
目の前の美少女は笑顔でそう言った。
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