5人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
このレイラって女は一体何者だろうか。
「んっんん~~♪」
鼻歌歌いながら俺の1mぐらい先を歩いてる。
…つーかこの服はいかんだろ。
ほとんど布地がねーよ。
俺だって年頃の健康な男だぜ?
こんなの見せられたら…目のやり場に困る。
「あっ…そうだ♪」
目の前の女が歩みを止め、後ろに振り返った。
いかがわしい想像をしていたので不意に振り向かれた事にびっくりする。
「君、名前はなんて言うの?」
「お、俺?」
動揺して当たり前の事を聞き返していた。
「君以外いないでしょ」
だよな
「俺の名前は仁」
「じん?」
「じん」
「そっか♪よろしくね仁♪」
「あ、ああ よろしく」
…めっちゃ可愛い…。
俺は出会ったばっかりのこの女に質問をした。
「あんたってさ」
「レイラでいいよ」
「わかった。レイラってさなんでそんな露出の多い服着てるんだ?」
「んーっとね」
「君の国で言う着物みたいなものだよ」
「あー…民族衣装なのか?」
「そっそ」
「へー…みんな露出が多いのか」
「…違うよ」
へ?
「露出の多い服はね…落ち零れの証拠なの」
まずい事聞いちまった…
「すまん…」
「ん、大丈夫…」
心無しか声に元気がなかった。
何の落ち零れか知りたかったが、聞いちゃいけないような気がしたので聞かなかった。
………沈黙
ザッザッザッ
靴と地面の擦れる音が沈黙している空間に響き渡る。
息苦しい………
「ま、気にしないで♪」
後ろを振り返らずにそう言った。
それ以上聞くなと言っているようにも見えたので構わず歩いた。
「んっんん~~♪」
鼻歌を口ずさんでいたからそれほど気にしているようにも見えなかった。
「あっそうだ♪」
歩きながら振り向き、剣を差し出しこういった
「これで自分の身を守りなよ?できる限りは助けるけどさ」
「どういう事?」
「だからね、盗賊とか魔物が襲って来るかもしれないからさ気をつけなよ」
気をつけるもなにも…
「それの使い方は簡単だから。構えて柄に付いてるボタンを押したら後は自動だから」
言ってる事はいまいち理解出来なかったけど、まるでゲームの世界に入ったみたいで楽しかった。
あいつらが来るまでは………
最初のコメントを投稿しよう!