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レイラが手招きするので、俺も側に行ってしゃがみ込んだ。
「んーっとね」
「まず、これだけは分かっててね?」
「何をだ」
「この世界は仁のいた世界とは別の空間なの」
………
大体予想してたものの、はっきり言われると素直に頷けなかった。
「…それで?」
冷静を装ったつもりだったが声が裏返ってしまっていた。
「私達の国では16歳になると違う星に行ってパートナーを見つけてこなきゃいけないの」
「ちょっとまてよ。」
異世界に来ているのに妙に冷静な自分がいた。
「俺…魔法なんてつかえねーぞ?」
当たり前だ。一般の高校生なんだから。
「うーん…学校で一通り教わるから大丈夫だと思う」
脆くも俺の考えは崩れ去った。
確かに毎日に飽き飽きしていたが、こんな非日常に出くわすなんて地球の自転が反対になっても有り得ない事だ。
…まぁ有り得てる訳だけどな。
「…あたしのパートナーになってくれないかな…?」
微かに目が潤んでいた。
「だめ…かな…?」
その顔は反則たぜ…
今にも泣き崩れて俺に縋るんじゃ無いかってぐらいでいる。
「えっ…あっ…」
いきなり答えをだせる訳ない。
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