夢の底

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大きくなっても俺も気持ちは変わらなく、高校生になった今もばかみたいにその人だけを想い続けた。周りの友達が彼女とかを作るなか俺だけは『好きな人すらいない』と言われ続けていて。 いない訳じゃない でも教えてやらない あの神聖さは あの一瞬だけは きっと誰にもわからない 俺は「好きな人はいない」 ずっとそう思ってろよ クラスメイトのばーか あの人とはあれいらい会っていない。名前も知らない。年も知らない。覚えているのはたのブルーと薄いピンク。整った顔があまりにも綺麗で子供心に火が付いた おもちゃに執着心がつくように 彼女が欲しいと思った もう一度 もう一度会えたなら そう願い続けているのに 会う予感すらない それでも俺が彼女の容姿を忘れずにいられたのは夢のお陰だった 一週間に一度だけ 夢で会える 夢でなら、会える 実体とは違うがあれは確かに彼女 俺を助けた女神 そして今日も夢を
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