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席を立って教卓へ行こうと思ったが、陽気な男子たちが教壇周りではしゃいでいる。   そんなところではしゃいで、一体何が楽しいんだ。 廊下で遊べ、目障りだ。     休み時間は短いため、焦りが出てくる。 あと一分弱じゃないか。 次の休み時間までまた四十五分も我慢するのか。   冗談じゃない。   さっさと確認して、あぁこんな名前のひとなのかときもちを落ち着けて次の授業にのぞみたいんだ。   座席表を見るためだけに教卓に行きたいのだが、数人の陽気な男子たちの近くで座席表を確認するのがどうにも苦しい。   何も言ってはこないだろうが、陽気なやつらのことだ。心の中で静かにぶつぶつ言っていればいいものを、簡単に口に出しかねない。 すると陽気な仲間たちがはやしたてるだろう。   連鎖反応なんて科学的なことばは似合わないが、まさにそんな感じだ。 そんなやつらの獲物にはなりたくない。     そんなことを考えていたら、チャイムが響きわたった。
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