チェーンメール

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「なぁ、知ってるか?」 こいつの名前はA。 まったくこいつの情報網には呆れる。 いつもどこからか、本当か嘘かもわからない話を拾ってくる。 「あぁ、知ってるよ」 僕は面倒臭いことが嫌いでこうやって流す。 「まだ何も言ってないだろ? 今度の話はマジすごいぜ」 やけに話したがるAを不思議に思い、渋々聞いてみることにした。 「お前はメールをあんまりやらないから知らないと思うんだけどな。 チェーンメールってぁるだろ? 幸せになるだとか。 でもな…その中に、回したら絶対に本文についてるURLを見なきゃけない物があるんだ」 「ふーん」 僕は興味無さそうに流した。 「なんだよ。ちゃんと聞けよな。 よく呪いのメールってあるだろ。 ほとんどがただの迷惑メールだけど、それは本当に呪われるらしいぜ!」 Aは楽しそうに言う。 僕はこんな話はもうどうでもよくて、今日の塾の事を考えていた。 Aはさらに言った。 「その内容がな、こう書いてあるんだと。」 『私は病気なの。 目が、目が見えないの… 腕も、足も無いの…。 苦しい。痛い。 どうして私だけが…。 このメールを5人に送りなさい。 止めた奴には私の病気がうつるから…。 かかりたくない奴は5人に送った後、このURLを必ず見なさい。 送らずに見た奴、送っても見なかった奴は病気に感染する。』ってな。 「俺、もし来たら回さないで見てみようと思うんだ。面白そうだろ?」 僕は、こんな内容を覚えているAに感心しながら 「迷惑な話だな。 つーかなんの病気だよ」 と全く信じなかった。
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