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すると、そこには一匹の白ウサギ。
「何だ…ウサギか!!アハハ…」
って、ちょっと待て!!と一人心の中でノリツッコミという芸当をする美佳は、まだまだ余裕と伺える。
いや、余裕というより突然のことに頭が混乱しているというべきだろうか?
「何でウサギイィ!?」
美佳は動物など買っていない、ましてや、ここは二階で戸締まりも万全だ。
「美佳……」
美佳は目を丸くして、固まった後に震える声で呟いた。
「しゃべった…」
「美佳…」
「いやぁぁあ!?しゃべったぁぁあ!!」
「お、落ち着いて!」
パニックになる美佳を冷静になだめる白ウサギは、どこか大人であった。
「ボクの名前はシロ」
ファンタジーと恐怖が一緒に迫ってくる感じ様な不思議な感覚を覚えた美佳。
鼻ピクピクさせて可愛いなぁ、なんてのんきなことを考えながら「ふふ」と笑った。
「ボクはその手紙に書いてあった案内人」
美佳はその言葉を聞いて、笑っていた顔がひきつり出した。
「これって何かのイタズラじゃなくて!?」
その言葉にシロは小さく頷いた。
「残念ながら、イタズラじゃなくて君は本当に選ばれた」
「うそ…」
嘘だぁぁあ!!という美佳の悲痛な悲鳴が響き渡った。
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