シロ

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「ちょっ…、本当に意味分かんないんですけど!こんなファンタジーみたいなノリに乗れるか!!!」 「うん、信じれないのは分かるけど本当なんだよ。一緒に来てもらう」 「行くなんて行ってないし!大体どこへ行くのよ!」 「本の中」 その答えに、美佳は「ははは」と渇いた笑いをしながら肩をすくめてみせた。 「私はウサギの遊びに付き合ってる程暇じゃないのよ?それにおかしいし!」 白ウサギが喋る時点で十分おかしいのだが、敢えてそこはツッコミをいれなかった様だ。 「ごめんね。でも、連れていかなくちゃいけない」 シロと名乗ったウサギはそう言うと、両手を広げて目を閉じた。 嘘だと思いたかった。 夢なら早く覚めて欲しかった。 目の前にはブラックホールみたいな大きな黒い歪み。 「いらっしゃいませ。僕らの姫君」 これは夢だ。 きっと疲れてたのね…。 起きたらいつもの日常が始まるわ。 きっと大丈夫だよ。 美佳は自分にそう言い聞かせながら、段々意識が遠のいていった。
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