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「ん…」
目を薄く開けてみるが、いつもの見慣れた天井では無く、非常に顔が整った少年がいた。
未だに覚醒していない頭で首を傾げれば、少年は悪戯っぽく笑った。
「起きた?」
漸く覚醒し、今の現状に気付いた美佳はガバッと勢いよく飛び起きた。
それはもうマッハだ。
それもそのはず。
「10㎝くらいしか顔が離れて無かったよ!!」
そこで美佳はある異変に気付き、小さく首を傾げた。
「だって、なかなか起きないんだもん」
美佳が目を凝らせど、目の前にいるのは美少年。
「あ…あなたは?」
美佳は見覚えがないその少年を、少し警戒する様に睨んだ。
「やだなぁ…忘れちゃったの?」
男の子は悪戯な笑みを浮かべ、そして生やした。
白ウサギの耳を。
「え、もしかして…さっきの白ウサギ?」
いやいやあり得ないって、あはは夢じゃないんだからさ!
ほんの冗談のつもりで言った美佳は、一瞬で自分の言葉に後悔した。
「ご名答!」
シロが笑顔でそう答えたからだ。
美佳はまた目を丸くして固まった。
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