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月が綺麗な、9月のある夜。先生に雑用を頼まれてたまたま帰りが遅くなりました。
空に浮かぶ月を見上げ…ぼんやり月見もいいかなと少し公園に寄り道して帰ることを思いつき、向かった先に憧れ続けた人がいました。
なぜか独りで公園のブランコに座り、手にはビール。
近所に住んでいるのは知っていましたが、そうそう都合よく会えるわけがありません。
そして、見間違えるなどあり得ません。ずっとずっと、見つめ続けていた人。なんでこんな所にとかなんで独りでとか色々考えて、頭はパニック状態でした。気付かれないよう、こっそり近づいて様子を伺ったところ、泣いているようでした。
もちろん心配な気持ちもありましたがきっとこのチャンスを逃したら一生後悔すると思い、高鳴る胸を抑えつつ勇気を振り絞って声をかけました。
これが、僕らの始まり。
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