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そして、それからたくさん話をしました。
最終的にかなり意気投合し、ばかやろーとか叫んでいた記憶があります。近隣の住民の方にこの場を借りて謝罪したいと思います。夜分遅くに大変ご迷惑をおかけしました。憧れの人と話せて、これ以上無いぐらい舞い上がっていたのです。
それにしても加賀見さんを振る人がいるなんて驚きです。しかしこうして話せるようになったのはその人のおかげだと思うと複雑です。
夢の時間は、早く過ぎてしまうもの。かなり遅くなってしまいそろそろお開きかなというところで、加賀見さんがはっとした様子になりました。そして一言。
「俺、加賀見 啓。君は?」
僕は自分のあほさ加減を呪います。
よりによって名前を教えるのを忘れるなんて!!!!
いくら、めちゃくちゃ浮かれてまくっていたからって…!
叫びながらのたうちまわりたい気持ちを抑えなんとか平静を保つ努力をしつつ、
「僕のことはイチって呼んで下さい。友達とかもそう呼んでいます。今、花の高校生です。啓さん、とお呼びしてもいいでしょうか。それと携帯持っていますか?またよければ話しましょう」
僕はばっちり次の約束もしたのでした。
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