久しぶりの悪夢だわ。

8/10
前へ
/15ページ
次へ
二人は森の中を特に話す事もなく 黙々と歩いていた。 森の中はまだ昼なのに 無数の木が日の光を遮って 薄暗い。不気味な雰囲気が 漂っている。 大地は辺りを警戒しながら歩くが 寝留は対称的にのんびり あくびなどしながら歩いている。 「お前なぁ…化け物とか 出る事だってあるんだぞ?ここ。 もっと緊張感持てよ。」 「任せたー。」 「何を。」 「何か出たら何とかしてね。」 「…。」 さっきの低い声と瞳孔全開な目は 夢だったんじゃないかと 思う程呑気な声だ。 大地は溜め息を一つつくと 喋るのをやめた。 しばらく歩くと 森の出口が見えてきた。 「もうすぐ出口だそ。 でも油断するなよ、この辺 ウルフ出るから。」 ブニュ 「…おい、今の音何だ。」 「んん?何か踏んだっぽい。」 「え゙…」 恐ろしい一言の直後 グルル…と唸る獣のような声が 聞こえてきた。 「ガルゥ!!」 そう吠えたのと同時に 青い毛のウルフが草の影から 飛び出してきた!! どうやら寝留はこのウルフの 尻尾を踏んでしまったらしい。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加