久しぶりの悪夢だわ。

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「……うぇ…」 妙な気持ちの悪さで寝留は 目を覚ました。 相変わらず重い瞼を開け とりあえず辺りを見回すと、 さっきまで教室にいたはずなのに ここは屋外で、おそらく森の ような場所。しかも何故か 空が下で地面が上にあった。 「……。」 どうやら 逆さ吊りにされているらしい事と 多分これが悪夢だという事が 理解できた。 いつもの夢は、もっとこう… お菓子とか出てくる夢だからだ。 「まぁいーや。そのうち先生が 起こすだろうし。…にしても リアルな気持ち悪さだな。 珍しい悪夢だわぁ。」 とか何とか相変わらず呑気な声で 呑気な事をぼやいていると 後ろから足音が聞こえてきた。 足音は寝留の方に近づいてくる。 例え夢でも気持ち悪いのは 嫌なので寝留が助けを求めようと 声を発しようとした瞬間、 足音の主が言った。 「…いい眺め。素晴らしいね。 逆さ吊り最高。」 実に嬉しそうなサドっ気満点の 少年の声だった。
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