久しぶりの悪夢だわ。

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しばし固まる寝留。 少しの静寂の後、足音の主が 声を発した。 「てか、起きてんのか?」 「起きてるよ。てか降ろして。」 寝留がそう言うと足音の主… と言うか少年はククッと含み笑い をすると、言った。 そりゃあもう実に楽しそうに。 「降ろしてほしい?」 「うん。」 当たり前だ、と付け足すと 少年はばっさり言い放った。 「じゃあ降ろしてあげない。」 「何故ー?whyー?」 つい、いつもの呑気な声を 発してしまうが、内心は 何なんだ、このドS野郎は。 などという思いが充満していた。 顔を見ようにも 上手く首が回らない…と言うより 気持ち悪い。 寝留はしゃべるのを止めて 必死にもがくと少年の足音が して真後ろに気配を感じた。 「そんなに踊らなくても 今日からお前、俺の奴隷に なるなら降ろしてやるよ?」 「…うぇ、なるから降ろして…」 どうせ夢なのだ。 そう思って寝留は返事をしたが それが大きな間違いだなんて 寝留は知る筈もなかった。
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