9人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「ふぅ…面白かった。てか、
お前名前は?」
ひとしきり笑うと少年…もとい
ドS野郎は寝留に聞いた。
「えー…君こそ誰さ。」
「お前奴隷の癖に
俺に質問する気か?」
こいつ…うざいわ。
てか面倒。
早く夢覚めないかな…
と思いながら寝留は渋々答えた。
思いっきり眉間に皺を寄せて。
「…寝留。」
「フルネーム。それと敬語で。」
「……出雲[いづも]寝留。」
敬語は無理だった。
今まで出会った事のない
この種類の人間に
温厚…と言うか細かい事を
気にしない性格の寝留も
いい加減キレそうだったからだ。
「いづもねる?
なんかだりぃ名前だな。」
まぁ…だいたいの人がそう言う。
自分でも思うし。
黙っているとドS野郎は
また人の悪そうな笑みを浮かべて
言った。
「まぁいいや。俺の名前は
佐渡大地[さどおおぢ]だ。」
「…サド王子?」
「違う、おおぢだ。
この国の王子やってる。」
まぎらわしい。
そしてややこしい。
…同じような意味だけど。
最初のコメントを投稿しよう!