・園遊会は薔薇の苑で・

13/14
前へ
/82ページ
次へ
爽やかにそよ風が吹く 美しい薔薇の苑を 眺めながら イレーヌは 熟れた果実のように赤く 輝く夕陽に指輪を かざした。 指輪の石は 煌めく光を放ち より一層不気味に 思えた。 何かこの指輪には あるのではないかと イレーヌが 指輪をふざけて いじっていると サンピエリ伯爵が 庭から出てくるのが 見えた。 「ご機嫌よう、 何をなさって いましたの?」 「考えていたんだ 指輪のことを」 「私もこの指輪に 何か隠されている 気がしますのよ」 イレーヌは指輪の 台座を触りながら言った パチン
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

115人が本棚に入れています
本棚に追加