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爽やかにそよ風が吹く
美しい薔薇の苑を
眺めながら
イレーヌは
熟れた果実のように赤く
輝く夕陽に指輪を
かざした。
指輪の石は
煌めく光を放ち
より一層不気味に
思えた。
何かこの指輪には
あるのではないかと
イレーヌが
指輪をふざけて
いじっていると
サンピエリ伯爵が
庭から出てくるのが
見えた。
「ご機嫌よう、
何をなさって
いましたの?」
「考えていたんだ
指輪のことを」
「私もこの指輪に
何か隠されている
気がしますのよ」
イレーヌは指輪の
台座を触りながら言った
パチン
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