幻想世界AFTER‐Ⅰ‐

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 ――もうこの世界は終わってしまった。  世界でただ一人の住人だった少女はいなくなり、存在する必要がなくなった世界。  少女がいなくなると共に、消滅する筈だった幻想の世界――  なのに、未だに僕は"この世界"に存在している。  世界は終わってしまった筈なのに。  少女の手を握ろうとする。  しかし、もう隣に少女の姿はなく、僕の不格好な手だけが空を掴んだ。  ギシリと腕が軋んで、五感はないのに何故か痛みを感じた。    ――ああ。    僕は知った。    ――今度は僕が一人だ。  
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