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「行ってきまーすっ!」
私は、快活な声を残して家を飛び出した。
今日は光坂高校の入学式――私、《岡崎 汐》の初登校の日だ。
今日から新たな学校で、沢山学ぶことになる。
新しい出会いもあるだろうし、新しい友達もできるだろう。
そう考えると、昨日はなかなか寝付けなかった。
自覚はなかったが、自分自身、楽しみにしていたのだろう。
私は、はやる気持ちを抑えて、ゆっくりと歩き出した。と――
「汐、頑張ってこいよっ!」
声に振り返ると、お父さんがアパートの部屋の前で手を振っていた。
「しおちゃん、行ってらっしゃい」
お母さんもいた。
何だか少し恥ずかしい。……でも嬉しかった。
「うん、行ってくるねっ!」
私は、2人に手を振って再び歩き出した。
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