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真っ赤に染まった視界。
生徒達の叫び声。
ピチャッと冷たい感覚がして頬に手を触れると赤い液体。
暫く何が起こったのか判らなかった。
ただ、ここに居ては危ないと、直感的に思った。
「妃夜乃!行こう!」
真美が叫んだ。
その声で私は我にかえり一気に走り出した。
後ろから聞こえる悲鳴は耐えなかった。
その悲鳴に混じって大人の男であろう声がいくつか聞こえだした。
私と真美に向かって待てと大声で叫んでいる。
もちろん待ったりはしない。
もしも立ち止まったりしたら、それは即ち私たちの死を現しているのだろう。
だから必死に走った。
バス停に隣接する広い森の中を、ひたすら走る。
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