Case2

3/4
前へ
/111ページ
次へ
真っ赤に染まった視界。 生徒達の叫び声。 ピチャッと冷たい感覚がして頬に手を触れると赤い液体。 暫く何が起こったのか判らなかった。 ただ、ここに居ては危ないと、直感的に思った。 「妃夜乃!行こう!」 真美が叫んだ。 その声で私は我にかえり一気に走り出した。 後ろから聞こえる悲鳴は耐えなかった。 その悲鳴に混じって大人の男であろう声がいくつか聞こえだした。 私と真美に向かって待てと大声で叫んでいる。 もちろん待ったりはしない。 もしも立ち止まったりしたら、それは即ち私たちの死を現しているのだろう。 だから必死に走った。 バス停に隣接する広い森の中を、ひたすら走る。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加