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男達も必死で追いかけてくる。
聞こえてくる銃声。悲鳴。
私は世界は本当に終わってしまったことを実感する。
もうどれぐらい走っただろうか。
今日初めて知ったけれど、森はとてつもなく広かった。
何処まで行っても木と空しか見えない。
本当にここはいつも通る道と繋がっていたのか?
もしかして、この森に踏み込んだ所為で私の世界は狂ってしまったのではないか?
ついさっきまで、幸せでごく普通の生活をおくっていたはずなのに。
どこで間違ってしまった?
そんなことを考えてもしょうがないって事は判ってる。
今はとりあえず走り続けるしかない。
いくら嘆いても現状が変わるわけじゃない。
力尽きても走らなくちゃ。
そう思ったときだった。
「きゃっ」
「──?!」
小さな悲鳴が聞こえて、不意に真美が見えなくなった。
私は立ち止まって振り返る。
そう、振り返る。
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