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「……キャー、キセキカッコいいー、痺れるぅ」
「………ふざけないの」
「あいよ。―――あ、ヤベ忘れそうだった」
ガサゴソと、側にあった袋をあさる。
なかなかの大きさの袋は子供が一人入れる位ある。
そろそろ皆さんお分かりじゃないかな。
もしかして、と思った貴方は多分正解だ。
「フィリアちゃ……あらー、やっぱり軽く目ぇ回ってるね」
「軟弱な子だな……」
†++++++++++++++++++++++++++++++++++†
「ど、どうもご迷惑をお掛けしました……」
「うん、ホントにめいわムグッ」
「まあまあ。気にしなくていいって」
「むむーっむむむーっ(ナツーはなせー)」
全く、キセキはほっとけば善からぬ事を言うから油断も隙もありゃしない。
ホントはいいやつなんだけどなぁ……。口が悪いからね。
スッポリとナツの腕の中に収まるのはキセキが年齢に対して、相応の体つきではないからだ。
ま、そこも可愛い一部ということなのさ。
言葉を遮断され不貞腐れるキセキだが、フィリアちゃんはせっせと少し乱れた髪を溶かす。
やっぱ女の子だから気になるのかな。
「そういやフィリアちゃん軽くお洒落してるよね?なんで?」
「あ、これですか?母に会いに行くからです。久しぶりなので」
「ふーん…お母さんにねぇ」
「ソコってサグレブアじゃない?」
いつの間にか腕(カイナ)から抜け出したキセキが述べる。
サグレブアは俺たちが次に行く街だけど……
少し、田舎なのさ。
「は、はい。サグレブアに行きますけど……」
「へぇ、奇遇。俺等も行くよ?サグレブア」
「えっ!?そうなんですか!?」
凄い奇遇だな。
母に、って行ってたし、フィリアちゃんもきっと住んでいたんだろうな。
……うん、ついで。
「俺等とついでだし、一緒に行こっか!」
「!はい!!」
本日数回目の天使の微笑みです。
可愛いなぁ、フィリアちゃんも、キセキも
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