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「南野も早く帰った方がいいんじゃないか?」
「大丈夫ですよ。気にしないで下さい。」
南野もコーヒーに口を付ける。
「あのなぁ。親が心配するだろう?」
「・・・・・・」
俺が親が心配してると言った瞬間、南野の顔が少し悲しそうな表情になった。
「・・・・・・私の親は3年前に交通事故で・・・・・」
「えっ!?あっ・・・・その・・・・・・悪い。」
「いえ。気にしないで下さい。」
笑って見せたが、俺には無理に笑っているように見えた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「あぁぁぁー!!もう!!今日はもう終わりにしよう!!」
その場の重い空気の中にいるのが嫌だった俺は仕事を止めて帰る事にした。
「送って行くよ。1人じゃ危ないだろ?」
「い、いえ。大丈夫です。私の事は気にしないで下さい。」
「そういう訳にはいかねぇだろ。もう遅いし、女の子を1人で帰らせるのもな。」
「・・・・・・ありがとう。」
南野は少し顔を紅くして微笑んだ。
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