夢のつづき(旅館編)

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「ごめんなさい…私、弥生。お客さん、昔私が好きだったお兄ちゃんと同じ名前だったから女将さんに無理言って部屋変わってもらったの。」 「へぇ…そんなに簡単に変わってもらえるものなの?」 「女将さんって私のお母さんだから…それに人手不足だし、夏休みだけのバイトで強制的にやらされてるから…見返りなんだ。」 「お兄ちゃんはどうしたの?」 「死んじゃった…私を助けようとして池で溺れたらしいの。私は全然覚えてないんだけど…。だからお客さんの名前を見た時どうしても話したくなっちゃって…ごめんなさい。」  いつの間にか、この少女と自然に話していた。 自分のことは何一つ思い出せないのに、それがあまり気にならなかった。 実際ここが何処なのか、どうして僕がここにいるのか、そんな事より…
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