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カイザはすっかり冷たくなった僕の体を抱きしめる様にマフラーを巻き付けた。
あまりにもマフラーは大きく不格好だったけど、僕を温めるには十分だった。
カイザは暖かいマフラーとあの時の僕にとって何よりも嬉しい言葉をくれた――
僕はただ黙って大きな手に引かれて歩く、何を言うわけでもない、嬉しいけれど言葉が出てこない。
見慣れない笑顔を見上げられずマフラーに顔をうずめた……
カイザは一人色々喋っている、今から行く所には僕と同い年の子供が二人いること、自分が親代わりをしている事など。
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