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年老いてなおも衰えを見せぬ一忠の武力に前衛に居た織田兵は少なからず恐怖を抱いていた。
そんな内心を持ちながら槍を一斉に突き付けていた。
槍の先端は先程まで一忠が居た場所を突き、上杉兵達を止まらせた。
清蔵「掛れ!
佐々家の底力を見せつけるのだーーー!!」
佐々氏であり成政の甥で一隊を預かる清蔵は一忠に向かって突撃をした。
遂に本格的に合戦が始まったのである。
武田軍の先鋒部隊長である高坂昌元も三千の兵を率いて左翼から糸魚川を進んだ。
成政「松原!
左翼勢を率いて武田軍の動きを抑えよ。」
五郎「ははっ!!」
すぐさま成政は左翼勢から四千の兵を押し出し武田軍の動きを封じさせた。
織田軍の編成は中央が成政・清蔵、左翼が松原五郎衛、右翼を穴山信君・小山田信茂とその家臣達四千が守備していた。
だが右翼の穴山・小山田軍は明らかに中央と左翼とは別行動を取っていた。
成政「くっ!…………
あの者共…………信長様から待遇を受けたからと増長しおって!!」
成政は全く動かない旧武田軍を憎悪の目で睨んだ。
糸魚川で止まっている上杉軍を右翼から突けば包囲出来るのである。
成政ならばそう戦略を立て、そのまま一気に敵本隊を突き崩すのだった。
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