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そう激怒する成政の正面に腕を組みながら座り、目を瞑る鬼のような面をした男がいた。
この男こそが織田軍北陸方面軍の総大将であり越前・加賀・能登・越中の全権を与えられた柴田勝家である。
その側には佐々成政と同じく与力である前田利家、信長の直臣となった穴山信君・小山田信茂がいた。
勝家は重装の甲冑や鎧で身を纏い、忽然とした態度でいた。
成政も内心勝家の反応に恐怖を抱いてはいたが更に反論した。
成政「上杉は兵の大半を新発田重家討伐に割き僅か、武田の援軍とて良くて一万程!
正攻法で行けば勝ちは間違いありませんぞ!!!」
利家「落ち着け成政。
勝家様には考えがあるのだ!」
前田利家がまさに今にも飛び掛りそうな成政を止めた。
勝家「成政…………
お主は必ずや勝てると申すのだな?」
目を開け成政を見た。
その視線は殺気とも思えるようなものだった。
成政「はっ!!
必ずや手柄を立てて見せます!!!」
勝家「ならば小山田殿と穴山殿、貴殿らは成政とともに迫り来るであろう武田・上杉を破ってもらえますかな?」
信君と信茂は内心嫌々ながらもそれを隠して了解した。
信茂「(ふんっ!!
何故このわしが猪武者とともに残らねばならん!)」
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