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信茂は甲斐の代々の名門としての誇りとプライドがあり、元は自分より低い身分だった成政に従うのは屈辱的だった。
利家「…………………………」
利家は内心成政の事を見下している信茂達をジッと見ていた。
その視線に気付いた信茂達は慌てて視線を反らした。
勝家「成政お主にニ万の兵を任せる、必ずや上杉景勝の首級を挙げよ。」
勝家はただ一言そう言うと残りニ万の兵を率いると越中の富山城に後退した。
利家「成政、油断するなよ。」
利家は昔からの旧友でもある成政に警告すると馬に跨り勝家の後に続いた。
――パカッパカッパカッパカッパカッパカッ――
利家は兵達の先頭に居る勝家の元に着いた。
利家「勝家様、何故これほどの兵力を後方に回したのですか?
成政の指揮は中々の者でございますぞ?」
勝家は視線を変えずに利家の問いに答えた。
勝家「地の利は向こうにある。
やたらむやみに攻めれば手取川のような惨敗を喫するぞ。」
勝家は己の失態を起こさぬように考えて半分の兵を割いたのであった。
ニ万程の兵力ならば成政も思う存分に力を発揮出来ると見込んでいたのだ。
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