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昌幸「敵の布陣は付け入る隙もないようですな」
景勝のすぐ隣には軍配を片手に持つ昌幸が居た。
景勝「これは昌幸殿か…………
いやはや我が領地でありながら敵に有利な地に構えられるとは……」
昌幸「北には海が面し東には糸魚川、南・西には小高い山々が備えてあるか………。
確かに防御には最高の利点ですな」
地図に描かれた布陣図を見て昌幸はそう呟いた。
だがその顔には暗い表情ではなく不適な笑みが浮かんでいた。
それに気付いた景勝は昌幸に何故笑みを浮かべているのか訪ねた。
景勝「昌幸殿、何か策でもおありかな?」
昌幸「拙者に出来るのは策略・謀略を張り巡らせ敵を落とし入れる事しかありませんので…………」
ニコニコと奥に何かを秘めた笑いをしながら昌幸は答えた。
だがそこに一人の上杉の将が陣幕を突き破る勢いで入って来た。
一忠「景勝様!
先駆けは拙者にお任せお!!!」
見たところ壮年を迎えた武将であり、身体は周囲に対して覇気を出していた。
この男こそかの上杉謙信の護衛的役割を努め、鬼小島弥太郎と称された猛将・小島一忠である。
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