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両軍が戦闘を始めてもう30分が経っていた。
一忠達は糸魚川の真ん中辺りから既に川辺まで突き進んでおり、成政達中央部隊の前衛軍と乱戦になっていた。
一忠「はあぁ!!
さあ織田の兵共よ!我が首取って手柄として見せい!!!」
獅子奮迅の如き槍さばきで一忠は織田軍を混乱させ、次々と上杉兵を渡河させ終えた。
上杉兵「我らも負けるな!
一忠様に続けーーー!!!!!」
故・謙信の名指揮で強力な軍事体制を取る上杉兵達は小島一忠と言う充実した指揮者の元で存分に死闘を繰り広げていた。
国力が如何に衰退したと言っても兵の質は下がってはいないのである。
一方の武田軍も今回は小島一忠の援護隊的な役割を努めた。
武田軍の先駆けを任せられる高坂昌元は父・昌信の撤退戦・老練な戦略とは違って革新的な攻め方を用いていた。
まさに新武田軍の山県昌景のような存在であったのだ。
昌元「先駆けこそ合戦の随一の誉れだ!
我に続けぇぇぇ!!!!!」
馬の手綱を引っ張ると勢い良く速度を飛ばし、単騎で織田軍右翼勢に向かい突っ込んで行ってしまった。
五郎「あれは武田の将の…………
皆あやつを討つのだ!
あの者を討ち取れば武田の先鋒は崩れる!!!」
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