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…都市の中心に位置する町、『木ノ原町』
辺りはオフィスビルが連なり、沢山の人々が往来する。
そんなオフィス街の端っこに、その事務所はあった。
古くて年季を感じてさせる一軒の貸ビル、そこにはその事務所以外しか借り手がついていない…まさにぼろビルと呼ぶに相応しい場所だった。
そのビルの二階の部屋で、彼ら三人は仕事をしていた。
無機質な色の壁と床に囲まれた質素なオフィスに、これまた質素なデスクが五つに本棚が隅の方に二つとデスクの横に二つ。
デスクの内の一つは窓を背に置かれており、その前に残りの四つが均等に並べられていた。
窓近くのデスクには城島が座っており、雑誌を読んでいる。
雑誌名は『月刊アダム』、男性向けの謎の多い雑誌である。
均等に並べられたデスクの内、右側の二つのデスクには二人が座っていた。
一人は男と一緒にいた青年と、もう一人は女性だった。
女性は長い黒髪を後ろで一本に束ね、パーカーにロングスカートといった姿だ。
女性は書類を分類し、時に何かを書き込んでいる。
青年の方はノートパソコンをいじり、仕事をしているようだ。
彼ら二人こそ、この探偵事務所を影で支える裏の功労者である。
怪魔に対する力は対してないが、それを補うように調査やサポートをこなす頼れる人材である。
…だが本人達にその自覚も無ければ、使う方にもそういう感情は全くない。
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