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「こんにちは~♪」
突然部屋のドアが開け放たれ、外から少女の黄色い声が響き渡る!
ドアの前には制服を着た今時の女子高生風の少女が立っていた。
髪は金色に染めてツインテールにした髪が少女の動きに合わせてフリフリと揺れる。
少女が部屋に入ると座っていた沙織が立ち上がって言った。
「藍子?どうしたの?何か用?」
沙織が聞くと、藍子と呼ばれた少女はニコニコしながら答えた。
「うん、ちょっと用事があって…」
少女は辺りをキョロキョロと見渡し、そして沙織の方を向いて言った。
「ねぇ、皇様は?」
「皇さん?皇さんなら長期依頼で今いないわよ」
沙織の言葉に少女はショックを受けた様子で叫んだ。
「えー!うっそー!そんなー!久しぶりに会いたかったのにー!」
叫び散らし、ガックリと頭を垂れる少女に秀明が歩み寄りながら言った。
「あのなぁ~藍子、いつも行っている事だけど…皇さんには近づかない方がいいって」
秀明の言葉に対し、少女は無言で秀明を睨みつける。
「あの人は確かに仕事はできるし、ルックスもカッコイイと思う…でもあの人はね、」
「いい加減で人使いが荒くて、何をするにも不真面目…でしょ?」
藍子が秀明の言葉の先を続けると、秀明は力なく頷いた。
「お兄ちゃんに言われたくても分かっているわよ、そんな事」
「だったらさ、」
「でも私、それでもあの人を愛すの…だって、それが真の愛だもの!」
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