波乱

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「いいも悪いも親父がそうしろって言ったら仕方ないっしょ」 「行く当てもないん子を追い出すのは可愛そうだよ」 口々にいう。 「冷静になれ」 これは自分にたいしてもだ。 「ここは男の園だぞ?見られたくないもの満載じゃないか?」 俺がそう言うと兄弟は慌てて部屋に片づけに行ったようだ。 一緒に暮らす気になってるらしい。 俺の気持は置いてきぼりかよ。 心の中で毒づく。 「やっぱり迷惑ですか」 泣きそうなしおらしい声で言われてしまうと俺も弱い。 「取り合えず玄関の中で待ってくれ。準備するから」 結局折れてしまった。 扉を開けると色白で細め、長い黒髪をゴムで綺麗にまとめ、不安そうな美少女が現れた。 本能的不安感。 何か、嫌なことが起こりそうだ。 「俺も部屋を片付けるからそこで待ってくれ」 俺は玄関をあとにした。 「手伝いましょうか」 うしろから聞こえたが勘弁だ。 男というものは年頃の女の子に見られたくないものが部屋にあるのが当たり前。 男だけの暮らしならその辺に投げてある、 部屋に入られなくても、見られるかもしれないとおもうと落ち着かない。
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