autumn blue

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けたたましく、アスファルトに叩きつけては弾け飛ぶ水音に、深くため息をついて、見上げた空。 つい先刻まで、透き通るような高い青をしていたそれは、今は重く灰色に淀んでいて、 そこから吐き出され続けている冷たい雫に濡れた肩を、手で払う。 「女心と秋の空、か…。」 よく出来た例えだな、と改めて思う。 いわば、変わりやすい物の例え。 俺の頭の中に、ひとりの女の笑顔が浮かんでいた。 「…最近、アイツ来ないな。」 .
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