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突然の雨に、傘を持たずに帰宅の途についていた俺は、
すぐに止むと勝手ながら解釈し、古びた商店街の軒下に、雨宿りさせてもらっていた。
もうすぐに日が沈む頃。
目の前を色とりどりの傘が足早に通り過ぎていく。
その鮮やかさとは打って変わって、皆この気まぐれな雨にどことなく苛立ちながら。
「はぁー、軽く呑んで帰るかな…。」
胸につっかえる何かに、咳払いをし、道路向かいにある赤い提灯に目をやった。
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